4.3.12
愛すべき紳士 ―なぜトップギアを尊敬するのか
先日、生涯で初めてブルーレイディスク版のトップギアを購入しました。
ニコニコ動画で見るのに加えて、英語字幕付きでも見たいと思って行動に移しました。
先日の石巻への旅で幸運なことにも親が移動費を出してくれたお陰で財布の餓死は免れました。
ということで、今夜あたりにでもまたアマゾンで1シーズン分購入する予定です。
トップギアと出会ってからまだ一年半ですが、自分はすっかりファンとなりました。
ですが、この番組を知っててかつ「面白い」と言う友人にはまだ1人しか出会えていません。
学校で話題に出しても食いつく人は皆無、それどころかクルマ好き自体が周りにはいません。
他人の趣味など知ったことではないですが、これほど惜しいことはないでしょう。
本日二個目の記事として、自分がトップギアを尊敬する理由についてお話しします。
この英国紳士たちが、なぜここまで人々に愛されているのか―。
世界中を見ても、これほどの規模の自動車番組はないでしょう。
公共番組という利点を生かした率直でごまかしなしのレビュー、
予算をこれでもかと費やした企画と最高峰の映像美、
そして、クルマを紳士に愛する誇り高き使命感―。
どれをとっても、名実ともに世界最高の自動車番組と言えます。
それどころか、ひとつの番組としてでもトップクラスに上り詰めるのではないでしょうか。
民営放送というのは、当然スポンサーからの収入があって成り立つわけです。
つまり、番組作りの上でスポンサーの顔色というのは常に気になるものなのです。
有名な事件といえば、日本の「ベストモータリング」での一件が挙げられるでしょう。
いわゆる、ドリキン・土屋圭市を激怒させた「R33事件」です。
この件では、番組作りにメーカーの広報による介入が行われていたという「闇」を暴くことになりました。
メーカーの、少しでも自社のクルマをよく見せようと思ったことがこのような行為に走らせてしまったのです。
この件以来、そのような介入はなくなったと聞きましたが、やはり遺恨を残す一件となりました。
どんな番組にも言えることですが、やはりまずは信頼がなければ人気は出ません。
ではもし、スポンサーがつかない公共放送で自動車番組を作ったらどうなるでしょうか。
そうです、まさしくそのメリットを最大限に生かしたのがトップギアなわけです。
クルマ好きとそうでない人の間を隔てる壁には色々な要因が考えられます。
そのひとつに、クルマを芸術品と思えるかどうかということがあると思います。
ジャガー・Eタイプはまさしく、芸術としても価値あるクルマとして有名です。
わからない人にはとうていわかってもらえないのでしょうが。
でも、おそらく趣味というのはそういうものだと思います。
世の中には、整形美を追い求めたアイドル集団を好きになる人だっているわけです。
トップギアは、そのあたりをしっかり把握しているのです。
どのフィルムをとっても、クルマを美しく撮っています。
このあたりのこだわり方も、トップギアに魅了される要因の一つです。
もちろん背後には莫大な予算がある、ということを付け加えておきます。
人々が口をそろえて「良い」というものには、魂が宿っています。
その良い物を作る職人の、純粋なこだわりと愛によって。
自分の名誉のためだけに作るものに人々の心を揺るがす何かが宿るでしょうか。
少なくとも、自分はそうは思えないです。
真摯な姿勢こそ、何か良い物を作るときに大事な事なのです。
それこそが真のモノづくりであり、職人であるわけです。
あれだけ馬鹿をやる三人ですが、根本にはクルマを心から愛する気持ちがあります。
そうでなければ、あれだけの批評など出来るはずがないからです。
好きなものであるからこそ、弱点や欠点を見つけて認めることができる―。
この姿勢こそ、自分がクルマ好きの一人としてトップギアを尊敬する所以です。
自分の周りの人たちは、どうもトップギアが単なるおふざけ番組としか思ってないようです。
確かに、普段はお世辞にもまっとうなことをしているようには見えないかもしれません。
ですが、考えてみればわかることです。
ここまで世界的に人気があるのには何か裏がある、と。
トップギアがたまに見せる、笑い抜きの、真剣な表情。
今話さなければいけない問題を、本気で考えるあの姿勢―。
どこかで聞いたような話ではありませんか。
日本で言えば、あの有吉弘行のような感じでしょうか。
表では、変なあだ名を付けては毒を吐いてばかり。
でも裏では、とても相手のことを考えてる良き理解者。
まさに、トップギアもこれなのです。
そしてこれこそ、世界で一番偉大な自動車番組で在り続ける理由なのです。
あの英国紳士たちだって、しょっちゅう皮肉を言ってるだけではありません。
真剣に、クルマのあり方を視聴者と共に考え、世間に提案する、
クルマ好きにとっての良きリーダーとも言えるかもしれません。
自分はこの記事を通じで皆さんにトップギアを好きになってもらおうとは考えていません。
でも言いたいのです、
クルマ好きだって皆さん以上に世界のことを考えているのかもしれない、ということを。
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